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  • 執筆者の写真みらいてーぶる事務局 特定非営利活動法人

自己紹介 - 谷本泰郎

NPO法人みらいてーぶる代表理事の谷本泰郎です。


私は和歌山県和歌山市出身で、高校卒業後18歳で上京しました。その後、レストランを中心にホテルなどで調理の仕事をしてきました。高校時代に地元の喫茶店、レストランでアルバイトをした経験があります。その当時のコックさんがとても美味しい賄いを作ってくれて、腹一杯食べさせてくれました。今思えばそのコックさんの人柄もあったのですが、私はそのコックさんにカッコよさを感じ私自身も少しずつ料理の世界に憧れ始めました。

それがキッカケで料理の道を選びます。


多数のレストラン等を転々としましたが、10年ほど前、カナダ大使館大使公邸料理人の話があり勤務することになりました。勤めはじめて5年ほど過ぎたころでした、私には以前から料理を何かに役立てないか?という思いがありました。様々なハンデのある子どもたちと料理が出来ないか?と考えました。食事は毎日のこと、将来自炊出来ることが自立後の生活に役立つのではと考えたのです。


そこで、私の住んでいるエリアの障害者施設、児童養護施設をパソコンで調べてリストアップしました。そして、一ヶ所ずつ電話をしていきました。

「子どもたちと一緒に料理を作りたいのですが?」

いきなりの電話で施設側の人も戸惑ったり、すぐに切られたり…


そんな中で興味を持って受け入れてくれたのが、現在まで訪問し続けている児童養護施設です。「うちの子ども達は外部の大人と接する機会が少ないので、一緒に料理を作ってくれることは有難いことなんです」と施設長の言葉は私にとっても嬉しいことでした。当時はまだ施設についての知識は少なく、なんとなく知っている状況でした。数回の施設長との面談、料理を一緒に作る子どもとの顔合わせ、そして施設での夕食調理となりました。


初めて施設にて一緒に料理を作ったのは当時中学生の少しヤンチャな男の子でした。

調理の合間にキャッチボールをしたり、雑談をしたりしたのを覚えています。家族のことなどを私に気さくに話してくれました。将来の仕事、就職についての話をした時に感じたことがありました。その時、多くを望めない、望んでいない…ように感じたのです。料理を一緒に作ってコミュニケーションをとることでもっと自分に出来ることがあるのでは、と思いました。

その後、当時小学2年生の女の子を中心にして子どもたちと一緒に料理することを続けてきました。


訪問し続けていると、一人ひとり様々な事情を背負って施設で暮らしていることが見え始めます。しかし、私が関わってきた子ども達の中で誰一人愚痴や文句を言いません、みんな明るく元気に振る舞っているのです。


私はまた、もっと何か出来ることはないか、と思うのでした。コロナで訪問出来ない時期がありましたが、それを機に自分がやってきたことを広げていきたいと思い始めます。

卒園後自立した時に役立つことを少しでも手伝いたい、訪問する施設を増やし支援する子どもたちを増やしたい、という思いから料理人仲間に声をかけ、周りの方々にも協力を頂き、2022年7月にNPO法人みらいてーぶる設立に至りました。 


今後は施設での調理を中心に、食事会兼テーブルマナー講習会、サンリオピューロランドへの招待、主に飲食業のアルバイト先、就職先、体験、見学等、それと同様に施設を卒園したケアリーバーに対しても支援していきたいと思います。今年の5月、施設長に協力して頂き、子ども達にアンケートを行いました。困っていること、将来なりたい職業、についてでした。学校での友達関係から将来の自分の人生に不安がある、大人が嫌い、小遣いが少ない等、職業については調理や飲食関係をはじめ具体的にやりたい仕事がある子が多くみられました。困っていることを知ることが一番の目的で、今後の活動に活かしていけるようアンケートをお願いしました。私とお互いに一番弟子と認め合っている女の子がいます、初めて出会った時は小学2年生でした。現在は6年生、来年からは中学生です。

身長が伸びて、料理もとても上手になりました。


現状の生活に変化が無ければ、彼女も6年後には、卒園して自立生活を迎えることになります。料理したことや、社会見学、外部の大人との関わり等を経験したことが、その時に少しでも役に立つことを願っています。以前、施設長に言われたことがあります「彼女が成長して彼氏ができて、料理はもういいかな、となるまでお願いしますね」と。その時は笑って過ごしましたが、なんとなく少し寂しい気持ちになったのを覚えています。


つい最近、読み始めた本があります。

「漂流児童 福祉施設に関わる子どもたち」

その本に「児童福祉の未来は、そのまま日本の未来なのだ」とありました。

私達が社会的養護下の全ての子どもたち支援するというのは無理なことです。

一番弟子の女の子、一緒に料理を作ってきて5年目になります。彼女はいつも笑顔と元気を私にくれます。

1人でも多くの子どもたちと出会うことを優先し、色々な体験や経験をする機会のお手伝いをしていきます。 写真は一番弟子の成長ぶり







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